
官民連携事例② IoTを活用したスマート農業とは?
IoTを活用した地域ブランド野菜の“収穫の安定化”事例
万願寺甘とうは、舞鶴市が発祥の京野菜で、大型・肉厚で種が少なく、トウガラシなのに辛くないという特徴を持つ。JAや生産者、地域を挙げてブランド化を推進してきた作物であり、市としても生産振興を進めていきたい地域特産物だが、「大きな課題があった」と同市農林課の吉田さんは語る。
地域ブランドとして成長させていくためには、供給量が安定していることが必須だ。そのために何かできないかと、令和元年10月に、生産者が属する「JA京都にのくに万願寺甘とう部会(以下、部会)」とKDDI、京都府、舞鶴市の関係者で協議した。議論の結果、高収穫量の生産者の栽培管理技術を共有し、全体の底上げを図ることを目的としたITモニタリングを始めようということになり、“スマートな万願寺甘とう栽培”が始まった。
モニタリングで可視化された情報が生産者の熱い思いを後押しする。
モニタリングは、部会から5軒の生産者を選出し、ハウス内の温度・湿度・照度などをIT機器で監視するものとした。この5軒も含め、万願寺甘とうの生産者は全体的に年齢が若く、「思いが熱い方ばかり。私たちもその思いに応えなければという責任を感じました」と吉田さん。また、プロジェクトにはいくつかの課題もあったと、同市建設部の東山さんは振り返る。「舞鶴は中山間地域なので地理的な制約があり、事業規模も決して大きいとはいえません。だからこそ、そんな地域でも農業DXが実現できることを示したいと思いました」。
取り組みが始まったのは令和2年3月。苗を植え付ける定植の段階から機器を設置し、モニタリングをスタートした。開始以降も新型コロナウイルス感染症が拡大している時期にあったが、吉田さんや東山さんなど関係者は、感染対策を徹底しつつ生産者のもとに足を運んだ。吉田さんは「スマート農業を目指すといっても、全てをIoT頼みにはできません。IoTを活かすために直接話をして、そこで得られたものが、スマート農業の本質です」と力を込める。
1年目の出荷を終えたあと、関係機関と生産者とで協議の場を持った。データを検証しながら「うちのハウスは水をやりすぎか」「春先の温度はこれが適正なのか」など、活発な議論が行われたという。東山さんは「具体的な数値やグラフで可視化されたのは大きい。ハウスで温度や湿度を体感するのと、数値で比較するのとでは格段の差があります」と語る。
農業DXが未来を拓く!2年目で見えてきた可能性。
取り組みは2年目に入り、モニタリング対象の生産者もさらに3軒追加し、着実に歩みを進めている。生産者からも、「今年度の収穫は前年比18%増を目指す」といった声が出ているそうだ。
今後の展望について吉田さんは「すぐに成果が出る取り組みではないので、結果はこれからです」という前提のもと、「少しずつ前進している手応えはあります。舞鶴市にはほかにも特産物があるので、例えば露地栽培のお茶などにも、ここで得た知見を活かせれば」と期待をのぞかせる。また、東山さんも「舞鶴の主要産業の1つである漁業や、地域課題である有害鳥獣対策などにも活用できる可能性があります。IoTの取り組みは広く横展開できるはずです」と前向きだ。
地域の生産者を中心として、官民がしっかりと連携し、意見を交わしつつ地域が一丸となって進む舞鶴市のスマート農業。その成果が実を結ぶ日も遠くはないだろう。
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