
今求められている災害関連情報伝達のあり方とは?
3割の自治体で、災害時の情報発信が課題に。
近年、自然災害が激甚化・頻発化している。例えば、熊本県を中心とする令和2年7月豪雨、令和4年6月の能登地方地震など、日本を襲う災害は枚挙にいとまがない。そんな中、自治体には、地域住民に避難勧告などの災害関連情報を伝える責務がある。
そこで、ある調査の結果を見てみよう。AI防災・危機管理ソリューション「Spectee Pro」を提供する株式会社Specteeが、自治体で防災・災害対応に従事する約1000人に「災害発生時に直面する課題」を複数回答可で尋ねたところ、「住民へいかに迅速に情報を伝達するか」36.4%、「適切なタイミングで避難指示を発出することが難しい」29.5%との回答が得られた。ここから、現場の職員が災害時の情報発信に課題を感じていることが分かる。
それでは、こういった課題を改善するため、自治体と民間企業はどう連携しているのだろうか。今回は熊本県八代市の事例を見ていく。
度重なる大災害で、災害情報伝達手段の必要性を痛感。
豊かな自然が魅力の八代市は、多くのリスクを抱えている。危機管理監の中武さんによると、日本三大急流の1つである球磨川の河口にあり、第一級活断層の日奈久断層が斜めに走り、約1260カ所の土砂災害特別警戒区域が広い地域に点在しているとのこと。
こうした災害リスクに対し、同市は様々な取り組みを進めてきた。しかし、同市は2町3村が合併して生まれたため、防災の仕組みが統一されていなかった。そこで防災システムを見直していた最中、平成28年に熊本地震が発生。最大震度6弱を記録し、本庁舎は使用できない状態に。本庁業務を分散して業務を継続していたが、令和2年7月豪雨が同市を襲った。
7月3日深夜の豪雨で球磨川が急激に増水。翌日の午前4時頃、市内の坂本地区に避難指示が出された。追い打ちをかけるように坂本地区の支所が水没し、防災行政無線と固定電話の回線が使えなくなり、同区との連絡手段は職員の携帯電話のみに。当時の災害情報伝達手段は防災行政無線とメールだったが、坂本地区では無線もインターネットも使えないため、住民へ情報を届けられなくなってしまった。この豪雨災害の経験から、強靭で多様な災害情報伝達手段を確保する必要性を同市は痛感したという。
住民が自分に合った手段を選べるよう、選択肢を多く準備。
そこで同市は、IP通信網を利用した防災情報配信サービス「@InfoCanalⓇ」を導入。同システムは、テキストデータを送信して受信側で音声に変換するため、送信データが格段に軽く、あらゆる端末へ一斉に配信でき、インターネット環境があればどこからでも情報配信が可能だ。また、スマホ利用者にはアプリ、携帯を持っていない人には戸別受信機など、配信先も豊富なため、どんな人でも情報を受け取れる点がメリットだという。
中武さんは「住民が自分に合った手段を選べる点が優れていると思います」と語る。さらに、危機管理課の小林さんは「地域によって、適切な情報発信方法は違うはずです。だからこそ住民目線で考えて、多くの選択肢から住民が適切なものを選べるようにしておくことが大事だと思います」と述べている。
自然災害大国の日本で、災害情報伝達の強化は必須。
国土交通省によると、日本列島には未確認のものも含めて多くの活断層が分布しており、全国どこでも地震発生の可能性がある。また、地球温暖化の進行に伴い、大気の気温が上昇している。これにより、大気中に含まれる水蒸気量が増え、降雨量が1〜3割増加することで、豪雨が高頻度化し、甚大な水害が発生するといった影響も考えられる。
自然災害による被害額が全世界の被害総額の2割以上を占めるとされ、今後も被害が予測される日本において、災害情報伝達の強化は喫緊の課題だ。しかし、対策は自治体だけで完結できないため、官民の一層の連携が求められる。
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